戦後時代、日本唯一のLPレコード専門誌「プレイ・バック」
本日、久しぶりに戦後時代の日本唯一のLPレコード専門誌「プレイ・バック」を引っ張り出し開いて見た。 随分と昔に神田の古書店で求めた創刊第2号(1954年4月発行)である(写真1 「プレイ・バック」創刊第2号表紙)。 雑誌の編集は「LP愛好家協会」とあり発行は「ハルモニア出版部」(東京)とある。 内容は当時のクラシックLPレコード新譜評を中心にこの号では前年(1953年)の「オーディオ・フェア」で初めて出品された立体再生レコード(バイノーラル・レコード)と再生用のアームが写真で紹介されている(写真2 「立体再生レコード」と専用アーム)。 1本のアームの先が2本分かれそれぞれカートリッジを付けるというユニークな装置である。 まだこの時代、オリジナル・ステレオ録音レコードは開発試行錯誤中だったと思われるのでそのステップ段階としてこのバイノーラル再生は当時のオーディオ・ファンにとっても大変興味深いものがあったに違いない。 また「LPレコード評」では筆者のレコード棚にもある2枚の交響曲レコードが新譜として紹介されていたのに驚いた。 それはエーリッヒ・クライバー&アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団によるベートーヴェンの「田園」(1950年頃の英デッカ録音-LL916)、並びに世界初録音とされる「米ウラニア盤」のフランスのデュカの交響曲ハ長調(ジョルジュ・セバスティアン指揮コロンヌ管弦楽団-URLP7102)の2枚である(写真3 「プレイ・バック」第2号LPレコード新譜評から)。 最もクライバーの「田園」の筆者所有の盤はキング・レコードから後にリリースされた国内盤(LLA-10031)ではあるがこれもまた懐かしく感じた次第である(写真4 エーリッヒ・クライバー指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団LP国内盤(日ロンドンLLA-10031)/ 写真5 デュカ「交響曲ハ長調」ジョルジュ・セバスティアン指揮コンセール・コロンヌ管弦楽団LP(米ウラニア盤URLP-7102)。 雑誌裏面下段広告(写真6)も「パイオニア」が前身の「福音電機」になっているのに時代を感じさせた。