新日本フィル音楽監督時代の小泉和裕を聴く、1976

〜1976年7月27日、「新日本フィル、サマーコンサート」東京文化会館にて〜

現在、「都響」終身名誉指揮者、「九州交響楽団」音楽監督等々で大活躍中の小泉和裕は1973年の「カラヤン国際指揮者コンクール」での優勝を機に世界的メジャー・デビューを果たし1975年には26歳の若さで「新日本フィル」の音楽監督に就任した(1979年まで歴任)。 筆者は当時から彼が振るコンサートにはよく足を運んでいた。 今回は彼の「新日本フィル」音楽監督時代、1976年7月27日東京文化会館で開催された「新日本フィル・サマーコンサント-"メンデルスゾーンの夕べ"」を取り上げてみたい(写真1  新日本フィル1976サマーコンサート、プログラム)。 この演奏会はメンデルスゾーン好きの筆者にとってはたまらないプログラム構成だった。 ソリストには日本を代表する国際的女流ヴァイオリニスト前橋汀子が客演、彼女が弾く「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」はメンデルスゾーンのロマンティシズムが真っ向から聴き手に伝わってくる素晴らしい演奏だった。 またプログラムのメインを飾った「交響曲<スコットランド>」も小泉和裕のレパートリーのひとつ、全4楽章が切れ目なく繋がるように演奏される作品だがそのあたりも巧みにバランスがとれ新日本フィルの響きも美しかったことも記憶に残るコンサートだった(写真2  指揮者・ソリスト紹介、公演プログラムから)。
最後に余談になるがこの公演の2日前には「東京プリンスホテル」で「第2回新日本フィル・ライヴ・レコーディングの会」も開催されプログラムの1曲目はこの「スコットランド」が演奏されている。 この当時はまだ「オープン・リールデッキ」の全盛時代、多くの生録ファンが自慢のデッキを持ち込みレコーディング・コンサートを楽しんだ懐かしい時代でもあった(写真3  新日本フィル第2回ライヴ・レコーディングの会プログラム/写真4 「同、演奏曲目」(1976))。

写真1    新日本フィル サマーコンサート1976プログラム

写真2    指揮者小泉和裕とソリスト前橋汀子(Vn)の紹介(公演プログラムから)

写真3    第2回新日本フィルライヴレコーディングの会プログラム(1976)

写真4    新日本フィル第2回ライヴ・レコーディングの会 演奏曲目