昭和少年憧れのヒーローたち

「平成」も残すところあと2日(今日は2019年4月28日)、新しい元号「令和」を迎えるが今回は我が昭和少年時代に夢中になったヒーローたちにスポットを当て振り返ってみたい。
筆者が最初に夢中になった「仮面ヒーロー」の元祖は「月光仮面」(1958年~1959年)である(写真1)。 当時のKRテレビ(現TBSテレビ)系で全5部130話が放映された。 昭和少年の誰もがテレビの前に釘付けになったと云っても過言ではない。 この当時の少年向けテレビ・ドラマは海外ものとりわけアメリカ制作ものが多くその代表が「スーパーマン」であった。 しかし「月光仮面」のいでたちの斬新さ、その恰好よさに少年たちは強烈に惹かれていき「スーパーマン」を凌ぎ人気を高めていくことになる。
次に「月光仮面」とほぼ並行して前年1957年(昭和32年)に雑誌「少年画報」の連載漫画で始まった桑田次郎(現、二郎)の「少年探偵王」が原作、後の「まぼろし探偵」も筆者を夢中にさせた(写真2 「まぼろし探偵」ソフビ人形)。 1959年2月より当時の「ラジオ東京(現、TBSラジオ)」で月曜日~土曜日午後6時過ぎから25分枠で放送も始まり大ヒット、近所の家々から「まぼろし探偵」の主題歌が流れると外で遊んでいた少年たちは急いで家路につく。その後1959年4月にはテレビ・ドラマ化され筆者はラジオよりもテレビの方に引きつられてしまう。 テレビ放送は毎週水曜日の午後6時15分から45分までの30分枠で翌1960年3月まで続いた。 まだ当時14歳だった「さくら役」の吉永小百合の出演ももう一つの楽しみで人気をアップさせた。 毎回の出演ではなかったが彼女がこのドラマに花を添えたことは間違いない(写真3 「まぼろし探偵とさくら役の吉永小百合」-ブロマイド)。
最後に「日本テレビ」系で1960年4月から1961年6月まで放映された少々異色のヒーロー「怪傑ハリマオ」を紹介したい。 このドラマの原作は直木賞作家「山田克郎」の小説「魔の城」である。 ドラマの舞台は「大東亜戦争」に突入する前の「東南アジア」が舞台、主人公「ハリマオ」の正体は日本人で海軍中尉「大友道夫」で俳優座所属の「勝木敏之」が演じた。 彼の「ハリマオ・スタイル」は実に格好が良かった(写真4)。 物語は全5部構成でどういうわけか第1部の第1話から第5話までは何と国内ドラマ初のカラーで撮影されている。 もちろん当時はまだモノクロ時代でオリジナルのカラーで見た人はほとんどいなかったと思われる。 さらに第3部「アラフラの真珠」では初の海外ロケを敢行、ロケ地は「香港」「バンコク」「アンコールワット」にまで足を伸ばしている。 「アンコールワット」では撮影隊が立ち入り禁止の遺跡内に無断で侵入したため警備隊とトラブルになったというエピソードも残っている。 また童謡歌手で美人女優の近藤圭子の出演もこの活劇ドラマに花を添えた(写真5  劇中で挿入歌「南十字星の歌」を歌う近藤圭子)。

写真1    月光仮面(ブロマイド)

写真2    まぼろし探偵(ソフビ人形)

写真3    まぼろし探偵とさくら役(吉永小百合)(ブロマイド)

写真4    怪傑ハリマオ(ブロマイド)

写真5-    劇中で挿入歌「南十字星の歌」を歌う近藤圭子(ドラマ「怪傑ハリマオ」から)