最初に求めたクラシックLP廉価盤
〜エーリッヒ・クライバーの「第9」〜
今回は筆者が最初に求めたクラシックLP廉価盤、「エーリッヒ・クライバー&ウィーン・フィル」のベートーヴェン「交響曲第9番」を取り上げてみたいと思う。 それは「東京オリンピック」が開催された1964年のことだったので現在でもよく覚えている。 この国内初出盤はこの年いきなり廉価盤(1000円盤)としてリリースされた。 ちょうど筆者が中学3年生でモーツアルトやベートーヴェンに夢中になっていた時代である。 もちろんまだウィーンの名指揮者「エーリッヒ・クライバー」の名声も知る由もなかった。 1950年代のモノラル録音ながらその音質の良さにまず驚き、ソリスト並びバックの「ウィーン楽友協会合唱団」の素晴らしさが印象的な演奏で現在もたまに針をおろす(写真1 E. クライバーの「第9」-キング国内初出廉価盤LPジャケット(MR 5057・1964年リリース) /写真2 同盤レーベル面)。 LPジャケット裏面には「注意」として『第4楽章の一部に英デッカのマスター・テープの事故で音のふらつき個所』が指摘されているが特にそれほど問題は感じなかった(写真3 LPジャケット裏面・演奏データ)。 また後に調べてわかったことだがこのオリジナル英デッカ盤の初出は各楽章各1面にカッティングされた2枚組でリリースされていた(1952年)。 さすがにこのあたりも音質を重視する「英デッカ」らしいと感じた次第である。