私の”SLドキュメンタリーLP”コレクションから

1960年代LPレコードがステレオ録音に移り録音の対象も「ドキュメンタリー」にまで広がりを見せ特に蒸気機関車(SL)を録音したレコードが多数発売された。 鉄道ファンの筆者もこの当時かなりのSL録音のLPを収集したものだった。 今回は当時収集したレコードから現在でも時々針をおろすお気に入りのアルバムを紹介したいと思う。
先ず最初は1961年2月にアメリカ、ミシシッピ州ハッティスバーグで録音された雷鳴を伴う大嵐の中をあえぎながら走る「ミカド型300号機」が牽引する貨物列車を捉えた迫力ある録音である。 当時、米国SL録音の傑作を数々制作した「モービル・フィデリティ(Mobile Fidelity)」による「雷鳴下の蒸気機関車」のタイトルで人気を呼んだ1枚である。 筆者所有のLPはその国内盤「キング・レコード」から発売された英国「アーゴ(ARGO)」原盤による再プレス盤である(写真1   日キングSLC-901)。 この録音は  臨場感に満ちた途轍もない雷鳴の迫力に圧倒される。 続いて英国「アーゴ」シリーズから1枚、「夜行列車(Train in the Night)」と題するLPである(写真2  英argo「ZTR105」)。 このレコードは筆者が1970年代にロンドンの「パディントン駅」の売店で求めた1枚である。 この当時ロンドンの駅売店にも結構SLドキュメンタリー録音のLPが置いてあった。 当時の英国国鉄(British Railways)スコットランド局等の協力により1961年12月~1962年1月にかけて録音されたSLの記録である。 夜行急行列車を引くSLの警笛、ドラフトの音、駅を猛烈なスピードで通過する迫力など聴きどころ満載である。 最後に日本のSL旅情を録音したアルバム「蒸気機関車の旅情」(写真3  日ビクターSJV1083)である。 このLPは1968年に発売された。 日本の春夏秋冬に各地で収録されたSL旅情が楽しめる。 とりわけ1968年夏、勾配が最もきつい花輪線の龍ケ森で収録された遠雷も響く「ハチロク型蒸気機関車」が重い貨物を引いて走る「龍ケ森にあえぐハチロク」は先の「雷鳴下の蒸気機関車」を彷彿させる。 当時発売された米国「mobile fidelity records」と英「argo」のSLレコードのカタログ・チラシも出てきたので合わせて紹介しておきたい。 写真4  「米mobile fidelity records カタログ(1970年)表紙」。写真5  同カタログ内容の一部。 写真6  英argo(DECCA) records、SLレコード・チラシ。

写真1    雷鳴下の蒸気機関車(日キングSLC901)

写真2    夜行列車(英argo-ZTR105)

 

写真3    蒸気機関車の旅情(日ビクターSJV1083)

写真4    「mobile fidelity records」カタログ表紙(1970年)

写真5    「英argp SLレコード・チラシ」

写真6    「米mobile fidelity records」カタログ内容一部