私の落語・演芸レコード・コレクションから(7)
〜桂 歌丸・怪談噺「真景累ヶ淵」・「牡丹灯籠」〜
昨年(2018年)7月「落語芸術協会」の会長も務めた人気落語家「桂 歌丸」師が81歳で多くのファンに惜しまれながら亡くなった。 若きころの歌丸師は新作落語をよく手掛けていたが後に路線を「古典」一筋に切り替えた噺家でもあった。 今回紹介するCDボックス、三遊亭 圓朝の大作、怪談噺「真景累ヶ淵」・「牡丹灯籠」は師が地元の「横浜にぎわい座」で行った2003年と2006年の通し公演をライヴ収録したものである(写真1 桂 歌丸「真景累ヶ淵」・「牡丹灯籠」CDボックス テイチクエンタテイメント)。 このCDに耳を傾けると当時師がいかに圓朝の研究に没頭していたことが自然に伝わってくる。 「牡丹灯籠」のボックスには特典として当時の「にぎわい座」館長「玉置 宏」氏との楽屋での貴重な対談を収録したCDが添付されこちらも大変興味深い。 また歌丸師は「真景累ヶ淵」を2012年から14年にかけ「語り直して」と題し再収録している。 この再録盤ではこの噺のクライマックス・シーンのひとつ「豊志賀の死」も丁寧にノーカットで演じているためCDも7枚組となっている。
ところで先日演芸資料の中から歌丸師の1968年(昭和43年)3月真打披露興行(新宿・末廣亭)のプログラムもでてきたので合わせて紹介しておきたい。 プログラム表紙に当時「笑いのある人生」と添え書きして頂いた歌丸師のサインもなつかしい(写真2 昭和43年3月下席 新宿・末廣亭プログラム表紙)。 さらにまた出演者には当時のなつかしい名前がズラリと並ぶ(写真3)。
(つづく)