近衛秀麿&読売日響のベート―ヴェン「交響曲第9番」
今回も懐かしの1枚、日本のオーケストラ草分け的存在として知られた近衛秀麿(1898~1973)のベート―ヴェン「交響曲第9番ニ短調”合唱付き”」を取り上げてみたい。 紹介LPは1969年にリリースされた読売日本交響楽団との1968年9月東京厚生年金会館におけるステレオ・セッション録音である。 独唱陣にはソプラノ:渡辺洋子、アルト:長野羊奈子、テノール:藤沼明彦、バリトン:栗林義信と当時の「第9」コンサートには欠かせない面々を揃え合唱には二期会合唱団が加わる。 ジャケット解説には特に記載はないが俗に「近衛版」とも呼ばれる指揮者自身によるオーケストレーションの編曲、終楽章の終結部はメンゲルベルクほど露骨ではないがリタルダンドしているところもまた興味深かった。 録音も大変良好である(写真1 LPジャケット、研秀出版-日本ビクター SK 318/写真2 LPレーベル面)。