韓国の歌姫スミ・ジョー 「ドイツ名歌曲集 ”君を愛す“」
今回は韓国を代表する歌姫、世界的ソプラノ歌手「スミ・ジョー(Sumi Jo)」の2010年リリース「ドイツ名歌曲集 “君を愛す“(Ich Liebe Dich)」を取り上げてみたい。
彼女の世界的デビューのきっかけはカラヤンに認められ1989年夏「ザルツブルク音楽祭」で上演予定のオペラ、ヴェルディ仮面舞踏会のオスカル役に抜擢されたことである。 さらにこの年の冬、カラヤン指揮で同役を歌いレコーディングしている (写真1 ヴェルディ「仮面舞踏会」国内盤CDジャケット・ポリグラムPOCG-3570-01)。 しかしながら「ザルツブルク音楽祭」ではカラヤン急死のため代役ゲオルク・ショルティの指揮により音楽祭でのデビューを見事に果たしている。 その後の世界の主要歌劇場での彼女の活躍は目覚ましいことは言うまでもない。 このCDアルバムは彼女がモーツアルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン等々の名歌曲を優秀な若手器楽奏者たちのアンサンブルをバックに歌いあげた1枚である。 ここでも彼女の美声、表現力の豊かさが光る。 録音は2010年2月、ケルンのオーケストラ「ギュルツェニッヒ管弦楽団」のリハーサル場で行われている。 ちなみにこのCDはドイツ・グラモフォンの韓国盤で筆者が2010年秋、当時日本と同様に街のCDショップも少なくなったソウルで求めたものである。 この韓国盤は堅牢なブック・スタイル、彼女のカラー、モノクロの豊富なフォト・アルバムを含む80ページ余りにおよぶ解説(英語・韓国語)、歌曲対訳(独語・韓国語)から構成されている(写真2 CDジャケット(堅牢なブック・スタイル)DG-7597)/ 写真3 CD収録作品・演奏者/写真4 CD録音データ)。