ジョルジュ・エネスクのベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」

今回は「パリ音楽院」で学び作曲家、指揮者、そして20世紀有数の名ヴァイオリニストしても知られる「ジョルジュ・エネスク(George Enescu)」(1881-1955)のベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」のライヴ録音CDを紹介したいと思う。
この録音は彼がアメリカ滞在時代「イリノイ大学」で指導していたつながりから生まれたコンサート・ライヴである。 このコンサートは1949年2月16日、イリノイ大学の「スミス音楽ホール(Smith Music Hall)で開催されている。 演奏は指揮ジョン・カイパース(John Kuypers)管弦楽「イリノイ大学管弦楽団」によるものである。 指揮を務めた「ジョン・カイパース(John Kuypers)」は当時「イリノイ大学」の合唱や管弦楽の指導教授だったそうである。 このCDには当日演奏されたエネスクが弾くJ.S.バッハ「ヴァイオリン協奏曲第2番」・ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」そしてアンコール曲J.S.バッハ「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番」から「フーガ」も収録されている(写真1  ジョルジュ・エネスク/ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」ほかCDジャケット、英Biddulph LAB-108 / 写真2  CD演奏データ)。 演奏は編集なしのライヴ録音のためある程度粗雑な面は否めないがむしろ彼の堂々とした大胆な演奏が興味深い貴重なライヴ演奏になっている。 またこの演奏でエネスクが弾くカンデンツァはヨゼフ・ヨアヒムのものが使用されている(写真3  ヨアヒムから献詞入りでエネスクに献呈されたベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」カンデンツァ・カバー、CD解説掲載写真)。 ついでながらこのCDレーベル「Biddulph (ビッダルフ)」はイギリスのとりわけ歴史的な弦楽器奏者の演奏を専門としていたレーベルである。 ちなみにこのエネスク盤は1995年にリリースされた。 このCDジャケットでは「エネスク」の表記がフランス語表記「Georges Enesco」となっている。

ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op. 61:(https://ml.naxos.jp/work/381741):Gエネスク(Vn)、Jカイパース&イリノイ大管

写真1    ジョルジュ・エネスク ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」ほか1949年モノラル・ライヴ録音(英Biddulph LAB 108)

写真2    写真1の演奏データ

写真3    「ヨアヒムからエネスクに献詞入りで献呈されたベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」カデンツァのカバー(CD掲載写真から)