ロリン・マゼールによる二つのシベリウス交響曲全集録音

鬼才と云われたロリン・マゼールが録音したシベリウスの交響曲全集録音は1960年代のウィーン・フィル、1990年代のピッツバーグ響音楽監督時代のデジタル録音の二つがある。
両者とも独特の味がある名録音だがウィーン・フィル盤はマゼール若き30代のものでまさに鬼才マゼールの溌剌としたエネルギッシュな快速テンポで振る演奏が魅力である。 この録音は現在も名盤として輝き続けている。 当時の英デッカの主たる録音会場ウィーンのソフィエンザールにおけるセッションで録音もずば抜けて素晴らしい。 紹介盤は1991年に3CD BOXセットでリリースされたDECCA独盤である (写真1 DECCA独盤3CD BOX-430 778-2/写真2 CD録音データ)。
一方ピッツバーグ響盤はその後四半世紀余りが経過したデジタルでの再録音、マゼールも当時還暦を超えていた。 演奏にも穏やかさがあり全体的にテンポも遅くなり個人的にはさらなる深みを感じた。 このような聴き比べもまた楽しいものだ。 またこの全集盤にはジュリアン・ラクリンとの「ヴァイオリン協奏曲」や「カレリア組曲」などの管弦楽曲も収録されている(写真3  ピッツバーグ響との全集盤-5CD BOX-SONY CLASSICAL- オーストリア盤 SBSK 87882 /写真4 CD録音データ)。

写真1    マゼール&ウィーン・フィル/「シベリウス交響曲全集」(英デッカ独盤3CDBOX 1991年リリース)

写真2    デッカ盤録音データ

写真3    マゼール&ピッツバーク響/「シベリウス交響曲全集・ヴァイオリン協奏曲・管弦楽作品付」5CD BOX墺SONY CLASSICAL-SB5K 87882 2002年リリース)

写真4    SONY Classical 盤  録音データ