ディミトリ・ミトロプーロス&ニューヨーク・フィルの「悲愴」

ギリシャの首都アテネ出身、ディミトリ・ミトロプーロス(Dimitri Mitropoulos /1896~1960、写真1)は聴く耳の鋭さでも知られた巨匠だった。 彼はニューヨーク・フィルハーモニック音楽監督をストコフスキーと共に1949年から1958年にその地位をバーンスタインに譲るまで務めた人である。 今回紹介するチャイコフスキー「交響曲第6番”悲愴”」(1957年録音)はそのニューヨーク・フィルハーモニック音楽監督時代に遺した彼の数少ないオルジナル・ステレオ録音の一つである。 ちなみに紹介盤は日本コロムビア―ステレオ・ダイヤモンド・シリーズで1962年にリリースされたもので懐かしい25cmLP盤である。 全体的に超快速テンポで振るミトロプーロスの演奏時間はトータルおよそ40分と短いため第1面は第1楽章(15分35秒)、第2楽章(7分36秒)、第2面に第3楽章(8分34秒)、第4楽章(8分21秒)が収録されている (写真2  LPジャケット、日本コロムビアZS-26 /写真3  LPレーベル面) 。 おそらく数多くある「悲愴」のレコード録音でも最も速いテンポで振った演奏ではないだろうか。 彼は1960年11月、ミラノ・スカラ座でスカラ座管弦楽団とのマーラー「交響曲第3番」のリハーサル中に心臓発作で倒れ急逝するという劇的な生涯を閉じている。

写真1    ディミトリ・ミトロプーロス(インターネット画像)

写真2    ディミトリ・ミトリプーロス&ニューヨーク・フィルハーモニク チャイコフスキー「悲愴」25cmステレオLPジャケット(日本コロムビア-ZS-26)1962年リリース

写真3    LPレーベル面