ルドルフ・ケンペ、ライヴ・イン・デュッセルドルフ、1972
名匠「ルドルフ・ケンペ(Rudolf Kempe/1910~1976)」については既に「漫遊記2」で彼の指揮ぶりを1973年3月「ロイヤル・フェスティバル・ホール」(ロンドン)で生で接した想い出を紹介済みだが今回は彼がこの前年1972年11月29日、ピアノの「フリードリヒ・グルダ(Friedrich Gulda/1930~2000)」を迎えてのコンサート・ライヴ盤を紹介したい。 管弦楽はケンペが首席指揮者をつとめていた「ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団」である。 因みにこのコンサートはデュッセルドルフで開催された「障害者基金コンサート」と伝えられている。 プログラムは前半にワーグナー楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲、モーツアルト「ピアノ協奏曲第27番変ロ長調K.595」後半にはドヴォルザーク「交響曲第8番ト長調作品88」が演奏されている。 当時リリースされた国内盤LPレコードはプログラム前半・後半に分け別々にリリースされた(写真1 プログラム前半2曲が収録された国内盤LPジャケット(テイチク-ULX-3139-P)/ 写真2-プログラム後半「ドヴォルザーク交響曲第8番」LPジャケット-テイチク、ULS-3105 、1978年再リリース廉価盤)。 ケンペの指揮はこの録音からもコンサート・ライヴでさらに底力を発揮する指揮者と改めて感じた次第である。客演のグルダはこのコンサートの目玉だったと思うが彼の生き生きとした流麗なピアノの流れに自然と心が誘われてしまう見事なモーツアルトを披露している。 さらに各楽曲ごとに指揮者登場時の聴衆の拍手が収録されているところにもライヴの「臨場感」が楽しめる。 またこのコンサート録音は2001年に「独スクリベンダム(SCRIBENDUM)」よりCDに1枚にまとめられリリースされた。 しかし各楽曲ごとの指揮者登場時の聴衆の拍手はカットされている(写真3 「SCRIBENDUM」CDジャケットSC2004)。