サー・ジョン・バルビローリのヴォーン・ウィリアムズ

今回は「英・バルビローリ協会(The Barbirolli Society)」が「英ダットン(DUTTON)」レーベルと提携、デジタル・リマスターによりCD化された「サー・ジョン・バルビローリ&ハレ管弦楽団」による歴史的名録音ヴォーン・ウィリアムズ「交響曲第2番・第8番」を取り上げたいと思う。
オルジナル音源は「英デッカ」に次ぐ歴史を持つ「英パイ=ニクサ(PYE-NIXA)」(後にEMIに買収)と思われる。 録音は「第2番」が1957年12月、「第8番」が1956年6月だがオリジナル・ステレオによるセッションである。 このCD復刻盤は1998年にリリースされた(写真1  CDジャケット)。 「第2番」は通称「ロンドン交響曲」と呼ばれ親しまれているが既に「漫遊記303」でリチャード・ヒッコクス指揮ロンドン交響楽団の1913年の初稿版による演奏(英CHANDOS盤)を紹介済みだがロンドン生まれのバルビローリも粋な演奏を聴かせている。 また「第8番」はバルビローリに献呈、初演もバルビローリ&ハレ管弦楽団により1956年5月2日にマンチェスターで行われた。 この録音はその直後に行われたことになる。 演奏時間は30分足らずの小規模な作品だが「第1楽章」-「主題を探す変則的な7つの変奏曲」とも云われ興味深い。 続く「第2楽章」は管楽器のみで演奏される行進曲風スケルツォ楽章、「第3楽章」は弦楽合奏による緩やかな楽章、そしてフィナーレは打楽器群が活躍する4つの楽章で構成されている。 ステレオ最初期の録音だがその音質は大変素晴らしい(写真2  CDジャケット裏面、演奏データ/ 写真3  CDレーベル面)。

写真1    「ヴォーン・ウィリアムズ交響曲第2番・第8番」(英バルビローリ協会-DUTTON盤CDSJB 1021)

写真2    同ジャケット裏面/演奏・録音データ

写真3    同CDレーベル面