ヴィクトル・デ・サーバタ、戦後の名盤から(2)
前回に続きもうひとつサーバタが遺した戦後のセッション録音から取り上げてみたい。 それは1954年6月にミラノ「スカラ座」で行われたヴェルディ「レクイエム」である。 当時彼の体調は決してベスト・コンディションではなかったがソリストに往年の名歌手たちエリザベート・シュワルツコップ(写真1)、オラリア・ドミンゲス(写真2)、ジュゼッペ・ディ・ステファノ(写真3)、チェザーレ・シエピ(写真4)が勢揃いしたなかでのセッションだった。 導入部はやや遅めのテンポで始まり「怒りの日」に入ると爆発的、エネルギッシュな棒に目も覚める。 モノラル録音のため音質は時代ものだがそこは目をつむりたい。 原盤は英EMIコロムビア録音で長い間廃盤となっていたが1995年に英EMI CLSSICSからデジタル・リマスターでCD復活した (写真5 CDジャケット、英EMI CLASSICS 7243 5 65506 2 9 )。 またこの2CDセットにはディスク-2余白には「ローマ・聖チェリチーリア音楽院管弦楽団」との1947年~48年録音のヴェルディ歌劇「椿姫」前奏曲「シチリア島の夕べの祈り」序曲、レスピーギ交響詩「ローマの噴水」等々の興味をそそる演奏がフィルアップされている (写真6 CD演奏・録音データ)。