名匠フリッチャイによるシューマン交響曲第1番「春」
ハンガリーの名匠フェレンツ・フリッチャイ(Ferenc Fricsay /1914~1963)はシューマンの交響曲録音を今回の紹介盤、RIAS放送交響楽団との第1番 「春」しか残していない。 この楽団は戦後ベルリンの米軍占領放送局(Radio In American Sector)が創設したオーケストラで頭文字を取って通称RIAS交響楽団とも呼ばれ現在のベルリン・ドイツ交響楽団の前身である。
紹介盤はフリッチャイ首席指揮者時代1955年のモノラル・セッションである。 フリッチャイが独グラモフォンに残した録音の中でも地味な存在だが演奏はキレ味も感じる筆者が好きな1枚である。 またLP第二面にフィルアップされたスメタナの連作交響詩「わが祖国」より「ボヘミアの森と草原から」はベルリン・フィルとの1953年モノラル・セッションでこちらも唯一のレコード録音となった。 紹介LPジャケットは1960年代初頭にリリースされたグラモフォンの廉価盤シリーズ、ヘリオドール(HERIODOR)レーベルでリリースされた英国盤である (写真1 LPジャケット、HERIODOR 478 141/写真2 LPレーベル面)。