イタリアの巨匠カルロ・マリア・ジュリーニの想い出

イタリアの巨匠カルロ・マリア・ジュリーニの想い出

カルロ・マリア・ジュリーニ(Carlo Maria Giulini/1914-2005)は数多くの世界中のファンを持つ指揮者であったが来日回数が3回(1960年イスラエル・フィル/1975年ウィーン交響楽団/1982年ロサンゼルス・フィル)と私も実際に生の演奏に接する機会が少なかった指揮者の一人だった。今回も手元の資料から過去に接することができたコンサートを思い起しながら当時の想い出を綴ってみたいと思う。
私が来日公演で接したコンサートは1975年の「ウィーン交響楽団」、1982年の「ロサンゼルス・フィル」との2回である(写真1 1975年ウィーン交響楽団来日公演プログラム表紙/写真2 1982年ロス・フィル来日公演プログラム表紙)。「ロス・フィル公演(1982年)」はこの年の「第5回名古屋国際音楽祭」に参加している。因みに私は前者「ウィーン響」は10月3日東京文化会館でのAプロ、後者「ロス・フィル」は初日5月13日の東京文化会館のAプロを鑑賞した(写真3 1975年ウィーン響Aプロ演奏曲目/写真4 1982年ロス・フィルAプロ演奏曲目)。どちらもジュリーニの気品を感じる演奏スタイルが心に残っている。とりわけ「ロス・フィル」のブルックナー「交響曲第7番」をジュリーニの指揮で聴けたことは大変「貴重」だったと思う。また写真の1975年ウィーン響コンサート終了後にプログラムに入れてもらったジュリーニのダイナミックなサインも私のお気に入りのひとつである(写真5 プログラムに入れてもらったジュリーニのサイン/1975年)。
ジュリーニの指揮は歳をとるごとに風格もそなわり次第にテンポも遅くなりそれは特にベートーヴェン、ブラームス、ブルックナーなどの演奏で如実だった。彼の演奏記録はレコード(CD)録音はライヴ音源も含め多数残されているが意外にも市販されている「映像記録」はそれほど多くないようである。写真のLPレコードはジュリーニが1970年代前後に「ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(第6番)」/「シカゴ交響楽団(第7番)」/「ロンドン交響楽団(第8番・第9番)」に録音した「ベートーヴェン交響曲集4枚組ボックス・セット」でこれが当時なかなか見つからず、1980年ごろだったと思うがローマの楽譜・レコード店(リコルディ(Ricordi)本店はミラノ)でようやく入手した想い出の一品であった(写真6 イタリアEMI-C165-52060/63 4LP表面 / 写真7 LPBox裏面)。

写真1 ジュリーニ&ウィーン響 1975年来日公演プログラム表紙

写真2 1982年ロスフィル来日公演 プログラム表紙

写真3 1975年ウィーン響Aプロ演奏曲目

写真4 1982年 ロスフィル Aプロ演奏曲目

写真5 1975年 ウィーン響プログラムに入れてもらったジュリーニのダイナミックなサイン

写真6 1980年頃イタリアのリコルディで見つけたEMI録音のベートヴェン交響曲集ボックス(表面)

写真7 ジュリーニのEMI録音ベートーヴェン交響曲集LPボックス(裏面)