オレゴン交響楽団(ポートランド)と北米西海岸 "アムトラック” の旅(1)、2012
「乗り鉄」の筆者は一度北米西海岸をカナダのバンクーバーまで走る「アムトラック」の列車に乗車してみたいと思っていた。 時刻表を見るとこの「アムトラック・カスケーズ(Amtrak Cascades)」はオレゴン州のユージン、ポートランド、ワシントン州のシアトルを経由しカナダ、ブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバーまで直通列車を毎日1往復走らせていた(写真1 アムトラック・カスケーズ2012年時刻表)。
これは筆者にとっても都合がよく、ポートランドで「オレゴン交響楽団」を聴きその後アムトラックに乗りシアトルを経由しバンクーバーまで乗る計画を立てた。 「オレゴン交響楽団」はポートランドのダウンタウンの中心に位置する「アリーン・シュニッツァー・コンサートホール」(写真2 2012年9月29日筆者撮影)を本拠地として活動している1896年発足の全米で7番目に古い歴史あるオーケストラである。 音楽監督はカルロス・カルマー、因みに前任は「都響」の常任指揮者を務めたジェイムス・デプリーストが2003年まで23年間務めている。 当時ネットでコンサート情報を調べたところ9月29日にブラームスの「ドイツ・レクイエム」の公演があるとのことでそれに合わせ列車の予約も取ることにした(写真3 筆者が聴いたブラームス/「ドイツ・レクイエム」プログラム表紙)。 プログラムの紹介によればソリスト、ソプラノのドミニク・ラベルとバリトンのリチャード・ツェラーは全米で活躍中の若手歌手とのことだった。 また指揮のスティーヴン・ゾフィはバックの「ポートランド・シンフォニック合唱団」の芸術監督を務める注目の若手指揮者である。 合唱団のノリも良くハーモニーも美しかった。
翌日はポートランド市内を観光、丘から眺めるポートランド市街、遠くに「マウント・フット」も望むことができた(写真4 高台からポートランド市街、遠くに「マウント・フット」を望む(2012年9月30日筆者撮影)。
10月1日、いよいよ「アムトラック」の旅が始まった。 出発駅はポートランドの「ユニオン・ステーション」(写真5 2012年10月1日筆者撮影)、午前8時30分発の列車はすでにホームに入線していた(写真6 筆者撮影)。 ポートランドからカナダのバンクーバーまでの距離は344マイル(約550Km)だが今日は途中のシアトルまでの乗車である(写真7 アムトラック・チケット(控え))。 到着予定時刻は正午なので3時間半の列車の旅である。 ポートランドを出発すると程なくワシントン州の「バンクーバー」に到着する。 表記もカナダのバンクーバー(Vancouver)と全く同一なのでややっこしい。 列車の旅は楽しいもので車窓の移りゆく景色を見ながら過ごしているうちに列車は最初の目的地シアトルの「キング・ストリート・ステーション」(写真8筆者撮影)にほぼ定刻に滑りこんだ。(つづく)