指揮者ズデニェク・コシュラーの想い出

チェコ、プラハ出身の名指揮者ズデニェク・コシュラー(Zdeněk Košler/1928-1995)は新日家でも知られ1968年の初来日以来、「東京交響楽団」をはじめとして日本のオーケストラにたびたび客演し多くのファンを魅了した。 彼の指揮は派手さはないが堅実、骨太で安定した演奏が魅力だった。 因みに筆者が彼の指揮に初めて接したのは1970年、「ベートーヴェン生誕200年」記念の年であった。 彼は当時、「東京交響楽団・ベートーヴェン生誕200年記念演奏会(アサヒビールコンサート'70)」に客演、「ベートーヴェン交響曲第9番」ほかを指揮、筆者は公演のフィナーレを飾る10月23日、日比谷公会堂でベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番<皇帝>」(ピアノ:荒 憲一)・「交響曲第9番」を聴いた(写真1  東響ベートーヴェン生誕200年記念公演プログラム表紙/写真2  10月23日第9公演出演者/写真3  公演チケット)。 ピアノ協奏曲第5番<皇帝>」と「第9」が一夜に演奏されるという豪華なプログラム構成は当時としては珍しく強烈なインパクトを感じた。
一方、「東京都交響楽団」の1978年10月12日の特別公演ではコシュラーとポルトガル出身の世界的ピアニスト、マリア・ジョアオ・ピレシュ(ピリス)が共演するとのことで筆者も早くからチケットを求め楽しみに心待ちしていた。 しかしピレシュ急病のため来日できず急遽アメリカ、シカゴ出身のジェフリー・シーゲルが見事にショパンの「ピアノ協奏曲第2番」を弾き彼女の代役を務めたことが印象的だった(写真4  コシュラー&都響特別演奏会プログラム表紙/写真5  同、公演チケッット)。 コシュラーはこの1978年より「都響」の首席客演指揮者として来日を重ねたが指揮者として円熟期を迎えた1995年に67歳の若さで急逝したことはショックだった。

写真1   東京交響楽団ベートーヴェン生誕200年記念演奏会プログラム表紙(1970)

写真2   コシュラー& 東京交響楽団ベートーヴェン生誕200年記念 1970年10月23日「第9」出演者

写真3    コシュラー& 東京交響楽団 ベートーヴェン生誕200年記念コンサート1970年10月23日チケット

写真4    コシュラー&東京都交響楽団 特別演奏会プログラム表紙(1978)

写真5    コシュラー&東京都交響楽団 特別演奏会チケット1978年(当時ピレシュ急病のためシーゲルが代役を務めた)