サイモン・ラトル&バーミンガム市響来日公演を聴く、1994
〜1994年10月22日、東京芸術劇場〜
「サー・サイモン・ラトルとバーミンガム市交響楽団」の来日公演についてはすでに「漫遊記108」で1998年の公演を紹介済みだがこの1994年の公演も想い出深い。 当時ラトルはまだ39歳の若さだったがその卓抜した指揮のセンスに人気のバロメーターもうなぎ上り、前年(1993年)には「グラモフォン誌」の年間最優秀アーティストにも選出されている。 この1994年の来日公演ではソリストにマルタ・アルゲリッチとギドン・クレメルの両名手を迎えての公演、多くのファンの注目度も高まった(写真1 1994年ラトル&バーミンガム市響 来日東京公演チラシ))。 筆者はアルゲリッチが共演する10月22日の「Bプロ」を聴いた(写真2 公演プログラム表紙/写真3 筆者が聴いた「Bプロ演奏曲目」)。 アルゲリッチはこのプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番」を大変得意としコンサートでよく取り上げているがこの演奏でもラトルとの息も見事にマッチ、彼女の鋭いリズム感と共に粋でスタイリッシュな演奏が印象的だった。 メインのショスタコーヴィチの軽妙洒脱な面もうかがえる「交響曲第15番」は指揮者ラトルの独壇場、彼の鋭い洞察力によるラトル流ショスタコーヴィチの世界を味わうことができた。 写真4は10月22日の公演チケットである。