サー・コリン・デイヴィス&バイエルン放送交響楽団来日公演を聴く1984

1984年5月21日、東京文化会館にて〜

指揮者サー・コリン・デイヴィス(写真1)についてはこれまでに「漫遊記109/1998年ロンドン響来日公演」、また「バイエルン放送交響楽団」もラファエル・クーベリックとの初来日公演(漫遊記68)で取り上げているが今回はデイヴィスがこのオーケストラの首席指揮者時代、1984年の来日公演を振り返ってみたい(写真2  「C.デイヴィス&バイエルン放送響1984年来日公演プログラム表紙」)。
この来日公演では当時7回目を迎えた「名古屋国際音楽祭」にも参加、7都市で公演を行っている(写真3   1984年デイヴィス&バイエルン放送響来日公演日程)。 筆者は彼が「ブルックナー交響曲第7番」を振った1984年月21日東京文化会館での公演を聴いた(写真4   筆者が聴いたプログラムA演奏曲目)。 この日はプログラム前半、デイヴィスが得意とするモーツアルト交響曲第41番「ジュピター」で「バイエルン放送響」の弦と管の響きが冴え渡っていた。 後半はお目当てのブルックナーの「第7番」である。 デイヴィスと云えばやはり交響曲では先のモーツアルトやベートーヴェン、シベリウス、シューベルトなどが先行してしまいブルックナーはどちらかと云えば珍しいレパートリーに入るかも知れない。 彼は全体的にやや遅めのテンポをとり特に第2楽章アダージョではじっくりと歌わせオーケストラもそれに応えていた。 放送オーケストラらしく見事なアンサンブルが美しかった。 また第2楽章では壮大にシンバルが響き渡ったので「ノヴァーク版」での演奏だったのであろう。
最後に余談を一つ、後にリリースされたデイヴィスの「独オルフェオ」1987年5月1日の同楽団との「第7番」ライヴ盤(写真5 独オルフェオ盤CDジャケット)/写真6  同CD裏面演奏・録音データ)ではCD裏面記載の通り「第2楽章アダージョ」と「第3楽章スケルツオ」を入れ替えて演奏されている。 この経緯については不明で謎のままである。

写真1   サー・コリン・デイヴィス(来日公演プログラムから)

写真2   1984年 デイヴィス&バイエルン放送響 来日公演プログラム表紙

写真3   1984年 デイヴィス&バイエルン放送響 来日公演日程

写真4   筆者が聴いたプログラムA

写真5   C.デイヴィス&バイエルン放送響  ブルックナー第7番 1987年ライヴ盤CDジャケット(独オルフェオ)

写真6   C.デイヴィス&バイエルン放送響ブルックナー「第7番」CD演奏データ