ハンス・フォンク&ロイヤル・フィルを聴く(2)
「ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団」1978/79シーズン(2)
ハンス・フォンク&ロイヤル・フィルを聴く(2) - 1979年3月、ロンドンにて-
続く1979年3月8日(木)のシーズン・コンサートもハンス・フォンクの指揮で行われた。ソリストの客演はフランスの名チェリスト、ポール・トルトゥリエ(Paul Tortelier/1914~1990)である。会場は同フェスティバル・ホール・午後8時開演。彼のチェロはやはり素晴らしいテクニックと音の厚みに感じる。私は期待を持って会場に向かった。今日のプログラムはベートーヴェン:「レオノーレ序曲第3番」・R.シューマン:チェロ協奏曲イ短調・ブラームス:交響曲第1番ハ短調と名曲が並ぶ。「レオーノレ第3番」の序曲で会場の雰囲気が引き締まる。トルトゥリエはシューマン/チェロ協奏曲のレコード録音を1950年代にモノラルでヘルマン・アーベントロート&ライプツィヒ放送響、ステレオでこのコンサートの前年だったと思うがロイヤル・フィルと息子のヤン・パスカル・トルトゥリエの指揮で残している。このコンサートでも彼の骨太の力強いチェロの響きが私の心に今も残る。メインのブラームスは頭のティンパニーの強打音がもの凄くこれで決まりと思ったほどだ。フィナーレのコーダに向かっていく盛り上がりも印象に残っている。この日の私にとっての収穫はやはりトルトゥリエが演奏する協奏曲を生で聴けたことだろうか・・・