フランス音楽の魔術師、「マニュエル・ロザンタール」

「オーケストラの魔術師」と云われた「モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel/1875-1937)」を師に持つ「マニュエル・ロザンタール(Manuel Rosenthal /1904-2003)」もまさに「フランス音楽の魔術師」としてヴァイオリニスト、作曲家・編曲家、指揮者として活躍した人である(写真1  マニュエル・ロザンタール、インターネット画像から)。 とりわけ「オッフェンバック」の主題による編曲版「パリの喜び」(舞踊音楽)は世界中で上演され人気を集めた。 今回紹介するLPレコードは前回と同様に「日本コロムビア」より1971年にアメリカ「エヴェレスト」原盤から復刻された「エリック・サティ管弦楽曲集」である(写真2  「エリック・サティ管弦楽集」ロザンタール指揮、LPジャケット、HRS-1021-EV / 写真3 同・レコード・レーベル面)。 管弦楽は自身も首席指揮者を務めた「フランス国立放送局管弦楽団(現:フランス国立管弦楽団)」で1950年代末頃のステレオ録音である。 レコード第一面には1幕ものの舞踊音楽「パラード(Parade)」と「組み立てられた3つの小品(Trois Petites Pièces Montées)」、第二面には付随音楽-交響的ドラマ「ソクラテス」から第3部「ソクラテスの死(La Mort de Socrate)」-ソプラノ独唱も加わる。 そして原曲はピアノ曲でサティ自身による管弦楽編曲版の「馬の装具で(En Habit de Cheval)」が収録されている。 またいずれの作品も録音が希少なためこのステレオ盤は魔術師「ロザンタール」の魅力がとことん味わえる歴史的貴重盤である。

写真1   ヴァイオリニスト、作曲家・編曲家、指揮者として活躍したマニュエル・ロザンタール(インターネット画像から)

写真2    「エリック・サティ管弦楽曲集」ロザンタール指揮フランス国立放送局管弦楽団、LPジャケット(日本コロムビア HRS-1021-EV)

写真3    写真2のレーベル面