ヨアフ・タルミ&N響のブルックナー交響曲第8番を聴く、2002
〜2002年10月4日、N響第1469回定期公演、NHKホールにて〜
当初、この2002年10月の定期公演はロシアの巨匠エフゲニー・スヴェトラーノフが振る予定だった。 しかしスヴェトラーノフがこの年5月に帰らぬ人となったためN響初登場となったイスラエル出身の名指揮者ヨアフ・タルミが代役を務めた。 筆者が聴いた「Cプロ」ではスヴェトラーノフが振る予定だったプログラム「ブルックナー交響曲第8番」を振っている(写真1 2002年10月N響定期公演プログラム表紙/写真2 ヨアフ・タルミ、直筆サイン)。 指揮者タルミは1943年生まれで当時59歳、まさに絶頂期を迎えブルックナー指揮者としても注目されこの「第8番」も彼が得意とするところである。 やはり彼の演奏は全体を通じてアクもなくとても道理的で聴きやすいブルックナーだったと思う。 とりわけ第3楽章アダージョの透明感ある美しさも印象的だった(写真3 N響第1469回定期Cプロ)。
ところで彼は1985年8月に「英Chandosレーベル」に「交響曲第9番」を「オスロ・フィル」とレコーディング、しかも未完の第4楽章をウィリアム・キャラガン補筆完成版とブルックナー自身が遺したオリジナル・スケッチも収録し世界初録音として大変注目された(写真4 英Chandos CD-タルミ&オスロ・フィル-ブルックナー交響曲第9番(左上)・W.キャラガン補筆完成版・オリジナル・スケッチ収録(右下))。 尚、写真4のジャケットのサインはいずれも当日公演終了後に日付入りで入れてもらったものである。