20世紀のマエストロたち
~ エーリヒ・クライバーとアルトゥール・ロジンスキ ~
以前「漫遊記504」で独TIMレーベルから「20世紀のマエストロたち」のタイトルでリリースされた40CDBOXセットを取り上げたことがある。 今回はそのBOX セットからエーリヒ・クライバー(Erich Kleiber/1890~1956) と アルトゥール・ロジンスキ(Artur Rodzinski/1892~1958) 指揮による2CDにスポットをあててみたい (写真1 CDジャケット、TIM204561-308) 。 SPレコードからのCD復刻盤だがCD-1の「クライバー」の1929年2月録音ウィーン・フィルとのモーツァルト交響曲第38番”プラハ”はSP独特のノイズは抜きにしてこの時代の音とは思えないほど明瞭な音質に驚く。 またチェコ・フィルを振った1936年録音のリスト「前奏曲」も貴重音源である。 またCD-2のロジンスキは先のクライバーとほぼ同世代の名匠だが時には激情的指揮者として知られた人である。 収録作品はニューヨーク・フィルハーモニック音楽監督時代1945年録音のベートーヴェン交響曲第5番並びに当時としても大変珍しい録音でNBC交響楽団とのスクリャービン「交響曲第3番”神聖な詩”」となっている。 しかもどちらもライブ録音で演奏後の聴衆の盛大な拍手も収められている (写真2 CD演奏・録音データ)。 いずれもロジンスキらしい爆演である。 またスクリャービンの録音データがこのCDでは1938年となっているが1939年1月放送ライブ音源とのデータもあるようだ。(写真3 若き日のロジンスキ(インターネット画像から)。