「マドレーヌ寺院」でのコンサート
「マドレーヌ寺院」でのコンサート - 2003年8月30日、パリにて –
パリ8区にある「マドレーヌ寺院(Eglise de la Madeleine)」(写真1 筆者撮影)の外観はコリント様式の柱を持つ古代ギリシャ風神殿スタイルのカトリック教会である。グルノーブルからの帰途パリに立ち寄った私はエンタテイメント情報誌「パリスコープ(Pariscope)」(写真2 現在、廃刊)を見て今晩(8/30)この教会で「Musique et Patrimoine」と題するオーケストラ・コンサートが開催されることを知った。テーマは直訳すれば「音楽と世界遺産」と云ったところだろうか(写真3 コンサート・プログラム表紙)。出演は「Orchestre<Les Violons de France>」と「Les Trompettes de Versailles」とある。プログラムの解説によると前者はフランスの著名なヴァイオリニストのフレデリック・モロウ(Frédéric Moreau)が創設した「弦楽オーケストラ」でこの公演でも指揮とヴァイオリンを披露していた。また後者の「ヴェルサイユ・トランペット奏団」はバロック音楽を得意とする2人のトランペット奏者とオルガン奏者にテインパニーが加わる4人編成のグループで1985年に創設された。いずれも世界的に活躍している音楽集団である。この公演ではゲストにフランスの名ソプラノ歌手セシル・ベスナール(Cécile Besnard)も出演、シューベルトとグノーの「アヴェ・マリア」、バッハの「主よ人の望みの喜よ」、モーツアルト:モテット「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」から「アレルヤ(Alleluia)を熱唱、喝采をうけた。当日このほか演奏された作品は以下の通りである(写真4 プログラム演奏曲目/写真5 コンサート・チラシ/写真6 コンサート・チケット)。
◆Orchestre « Les Violons de Frannce (フランス弦楽オーケストラ)
モーツアルト:「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」から第1楽章
アルヴィノーニ:「アダージョ」
パッヘルベル:「カノン」
ヴィヴァルディ:「四季」から「春」・「夏」
ヴァイオリン・ソロ:フレデリッック・モロウ
◆Les Trompetts de Versailles(ヴェルサイユ・トランペット奏団)
ミシェル=リシャール・ドゥラランド:王の晩餐
ヘンデル:「水の上の音楽」組曲から
ミシェル=リシャール・ドゥラランド(1657-1726)は「ルイ14世」時代の宮廷音楽家である。「王の晩餐のサンフォニー」は彼の代表作のひとつとされる。教会コンサートではいつも思うことなのだがこの日も残響の余韻がなんとも言い難い心地よさをもたらしてくれた。