オープン・リール・ソフト、二つの”レクイエム”
〜 モーツアルト:「レクイエム」K. 626とフォーレ:「レクイエム」作品48 〜
今回は「オープン・リール・ソフト」愛聴コレクションから二つの「レクイエム」を紹介したいと思う。
先ずその一つがフランス近代音楽創始に貢献,パリ音楽院教授、院長等々も歴任したガブリエル・フォーレ(Gabriel Faur/1845-1924)の「レクイエム作品48」である。 この作品は彼の傑作中の傑作とも云われその気品ある優美な旋律は聴き手の心をつかんでしまう。 このアンドレ・クリュイタンス指揮パリ音楽院管弦楽団ほかによる1962年パリの「サン・ロッシュ教会(L’Eglise Sait-Roch)」でのセッション・ステレオ音源は半世紀以上も経過した現在でも名演奏として輝き続けている。 歌手陣も全盛期のバリトン「ディトーリッヒ・フィッシャー=ディースカウ」、ソプラノ「ヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレス」が聴ける。 もちろんLPやCDでもこの素晴らしい演奏を充分に満喫できるがオープン・リールで聴くとまた一味違った雰囲気が楽しめる(写真1 フォーレ「レクイエム」、クリュイタンス&パリ音楽院管弦楽団 東芝音工オープン・リールテープ AXA-3026 1970年リリース/ 写真2 同、テープ・レーベル面)。
次にカール・ベーム&ウィーン・フィルほかによる1971年ウィーン楽友協会大ホールでのセッション録音、モーツアルト「レクイエムK.626」である。 じっくりとスローテンポで聴かせる ベームの重厚な演奏が魅力的である。 ソプラノ「エディット・マティス」、アルト「ユリア・ハマリ」、テノール「ヴィエスワフ・ホフマン」、バス「カール・リダーブッシュ」の4人のソリスト声のバランスが素晴らしい。 演奏時間も60分を超えるためかオープン・テープの方が音の響きがさらに繊細に感じられる(写真3 モーツアルト「レクイエム」-ベーム&ウィーン・フィルほか日グラモフォン オープン・テープ XG 1085 1972年リリース)/写真4 同、テープ・レーベル面)。
フォーレ:レクイエム(エリザベート・ブラッスール合唱団/パリ音楽院管/クリュイタンス):(https://ml.naxos.jp/work/2788288)
モーツァルト:レクイエム(マティス/ハマリ/オフマン/ウィーン・フィル/ベーム):(https://ml.naxos.jp/work/4377430)