シルヴィア・ケルセンバウム(Pf)のチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第2番」
シルヴィア・ケルセンバウム(Sylvia Kersenbaum)は日本では馴染み薄だがアルゼンチン出身の世界的に活躍中の情熱的、個性的ピアニストのひとりである。 今回の紹介盤は彼女が20代の1972年、フランスの名匠ジャン・マルティノン指揮フランス国立放送管弦楽団と録音したチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第2番ト長調」。 この作品はあまりにも有名な「第1番」の陰に隠れコンサートで演奏される機会が少ないのが残念だ。 「第1番」と同様3楽章構成でオリジナル版での演奏はおよそ45分を要する大曲で「第ニ楽章」の冒頭ではヴァイオリンとチェロのソロによる美しい長いフレーズも美しい。 またコンサートや録音では大幅にカットされた版が演奏されることも多いがこの録音はオリジナル完全版による演奏である (写真1 LPジャケット、英EMI ASD 2845 / 写真2 LPレーベル面)。 尚、彼女は1974年10月の日本フィル定期に客演、この「第2番」を山岡重信の指揮で披露している。