ピエール・ブーレーズ&ニューヨーク・フィルハーモニックによるベルク「ルル」組曲

ピエール・ブーレーズ(Pierre Boulez/1925~2016)はベルク歌劇「ルル」のツェルハ第3幕補筆完成版による世界初演を1979年春パリ・オペラ座で行い大変注目を浴びた。 また並行してこの3幕版を同キャストによる世界初レコード・セッション(DG)も行った (写真1 3CD BOX全曲盤--独グラモフォン415 489-2)。

写真1    3CD BOX(独グラモフォン-415 489-2)1989年リリース盤

今回の紹介LPはそれに先立ち彼がニューヨーク・フィルハーモニックと1976年3月、ニューヨーク・マンハッタン・センター録音の「ルル」組曲(米CBS音源)である。 この作品はベルクが第2幕から3曲、第3幕より2曲を選びまとめあげた「歌劇”ルル”から5つの交響的小品」とも呼ばれる。 第3曲の「ルルの歌」、終曲ルルの死-断末魔の悲鳴、ゲッシュヴィッツ伯爵令嬢の歌は米国の名ソプラノであるジュディス・ブレゲン(Judith Blegen)が歌う。 またLP二面後半に収録の演奏会用アリア「ワイン」(1977年録音)を歌うベルクやシェーンベルクなど新ウィーン楽派の作品も得意としたジェシー・ノーマン(Jessye Norman)にも魅了される (写真2 LPジャケット、国内盤CBSソニー 25AC 690/写真3 LPレーベル面)。

 

写真2    LPジャケット(CBSソニー 25AC 690)1979年リリース盤

 

写真3    LPレーベル面