伝説の名曲喫茶”クラシック”、東京・中野
筆者が学生時代から通いつめた名曲喫茶の一つがJR中野駅北口近くにあった今や伝説になった「クラシック」だった。 この名曲喫茶はオーナーで画家の美作七郎氏(1907~1989)が戦後間もなく開店したレトロチックな味わい深いクラシック音楽喫茶だった。 先ず入り口で1970年当時コーヒー一杯70円のチケットを求め黒板にチョークでリクエスト曲を書き込んで好きな席に着く。 リクエスト曲は原則全曲かけてくれたのも良かった。 しかも食品の持ち込みもOK、コーヒー一杯で何時間も過ごせたこともオーナーの人柄の良さであろう。 またレコード特有のパチパチ・ノイズがなんとも言えない雰囲気を醸し出していたことが懐かしい(写真1・2 「名曲喫茶 ”クラシック”、中野」1988年頃・筆者撮影)。 店内は数々の骨董品や楽器等々が飾られ美作氏の絵画も展示されていた(写真3・4 1988年頃筆者撮影)。 さらに美作氏自作の真空管アンプ類も所蔵のSP・LPレコードと共に並べられていた(写真5 1988年頃筆者撮影)。 美作氏亡き後も娘さんに営業が引き継がれたが2005年に娘さんも急逝、惜しまれながら店もその長い歴史に終止符を打った。 しかし当時のスタッフたちの手により店所蔵のレコードや調度品等々を受け継がれ隣の高円寺駅南口に2007年にオープンしたのが「ルネッサンス」である。 店内に入るとその第一印象はまさに昔の「クラシック」がよみがえったようだった。 尚、伝説の名曲喫茶「クラシック」ついては店内の模様をはじめ美作氏の絵画作品等々を収めた映像もDVD化されている(写真6 2007年DVD化された-“美作七郎と中野「クラシック」”)。