古楽器によるベルリオーズ「幻想交響曲」
ベルリオーズ「幻想交響曲」についてはこれまでも何度となく名盤を取り上げてきたと思うが今回はリリース当時話題にもなった二人のイギリスの名匠サー・リジャー・ノリントン(Sir Roger Norrington、写真1)盤とサー・ジョン・エリオット・ガーディナー(Sir John Eliot Gardiner、写真2)盤にスポットをあててみたい。 両盤とも自ら創設した古楽器演奏団体ロンドン・クラシカル・プレヤーズ(THE LONDON CLASSICAL PLAYERS)とオルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティーク(L’ORCHESTRE RÉVOLUTIONNAIREET ROMANTIQUE)による演奏である。 ちなみに前者ノリトン盤は1988年ロンドン・アビー・ロード・スタジオ録音で古楽器演奏による初の「幻想交響曲」録音だった。 オリジナルは英EMIからのリリースだったと思うが紹介CDは1997年に英Virgin Veritasからの再リリース盤である。 ベルリオーズ時代のオリジナル楽器で聴く「幻想」に新鮮味も感じた。 このCDにはコンサートでも聴く機会が少ない序曲「宗教裁判官」が収録されている (写真3 CDジャケット、英Virgin Veritas 5 61379 2 /写真4 CD演奏データ)。 一方ガーディナー盤はノリントン盤から3年後の1991年旧パリ音楽院ホール(Ancien Conservatoire,Paris)におけるセッションである。 こちらはガーディナー盤と比較するとスッキリ感ある演奏で個人的にはモダン楽器感覚に聴こえ興味深かった。 また両演奏共に「第1楽章提示部反復」並びに「第4楽章-断頭台への行進」の反復も実行している (写真5 CDジャケット、蘭PHILIPS 434 402-2/写真6 CD演奏データ)。