名指揮者ミュンシュのライブ音源中心に集めたユニークな「ベートーヴェン交響曲全集」
往年の名指揮者による歴史的ライブ音源を取りそろえたイタリアのメモリーズ・レヴェランス(MEMORIES REVERENCE)・レーベルも現在はそのほとんどが廃盤になっているようだ。 今回はその中から筆者が好んでよく聴くシャルル・ミュンシュのライブ音源を中心に集めたちょっとユニークな「ベートーヴェン交響曲全集」を取り上げてみたいと思う。 ミュンシュはセッションによるベートーヴェン交響曲全集を残してないのでこのライブ中心の音源による全集盤は貴重である。 内容は「第8番」の「パリ音楽院管弦楽団」-1947年メゾン・ド・ラ・ミュテュアリテ( La Maison de la Mutualité, Paris) におけるセッションの板起こし(英デッカ音源)以外はボストン交響楽団とのライブ音源となっている。 録音データによれば「第1番」は1950年12月27日スタジオ録音となっているので聴衆なしの放送用録音ではないかと思われる。 また「第9番」は1958年8月10日のタングルウッド音楽祭のライブ、そのほかはボストン・シンフォニーホールにおけるライブで「第6番 “田園”」を除き演奏後の聴衆の拍手も収録されており白熱のライブの雰囲気が味わえる。 すべてモノラル録音だが音質は概ね良好である。 尚、録音データ「第9番」にOrchestre National de l’ORTF(フランス国立放送局管弦楽団)の記載があるがこれは誤植であろう (写真1 ミュンシュ「ベートーヴェン交響曲全集」(5CDセット)伊MEMORIES MR2165-2169 /写真2 録音データ)。