諸井 誠 「ピアノ作品アルバム」
今回は諸井 誠(1930~2013)のピアノ作品アルバムから1枚取り上げてみたい。 彼は二十世紀音楽研究所の設立に参加したひとり、「十二音技法」などを早くから実践した作曲家でもあり評論家としても活躍した。 紹介LPは1971年に日本ビクターからリリースされた「ピアノ協奏曲第1番」、「ピアノのためのアルファーとベーター」、「いろはたとえ八題」の三作品を収めたユニークなアルバムである。 LP第一面の「ピアノ協奏曲第1番」は1966年に発表された彼の唯一のピアノ協奏曲作品で小林 仁のピアノ、若杉 弘指揮 読売日本交響楽団による演奏、また裏面に収録された二つのピアノ作品「ピアノのためのアルファーとベーター」(1954)、「いろはたとえ八題」(1967)も無比な味わいを感じた。 ちなみにタイトルの「アルファー(α)」と「ベーター(β)」は作品そのものとは関係ないが双子座の「カストル(α星)」と「ポルックス(β星)」に由来するそうである。 また本日(12月14日)は「双子座流星群」のピークを迎えるようだ。 このレコード録音は1970年3月~4月に東京の杉並公会堂で行われている。 録音も大変素晴らしい(写真1 LPジャケット、日本ビクターVX 38 /写真2 LPレーベル面)。