名指揮者イェジー・セムコフ、ポーランド「MUZA」の名盤から(1)

ポーランド出身の名指揮者「イェジー・セムコフ(Jerzy Semkow/1928-2014)」は日本では馴染みが薄い指揮者だったがレニングラード音楽院ではエフゲニー・ムラヴィンスキーに師事、ボリショイ劇場をはじめとしてロシアの数々のオーケストラに客演、母国ポーランドでは1959年から61年にかけてワルシャワ国立歌劇場の音楽監督も務めた。 その後西欧諸国を中心に活躍、1969年9月には「ロンドン・フィル」初来日公演でベルナルト・ハイティンク、ジョン・プリッチャードと共に来日している。 後年、彼はフランスに帰化しパリに移り住んだ。 彼のレパートリーは広く古典派からドイツ・ロマン派、ロシア音楽、現代音楽にまで及ぶ。 特に現代音楽ではシマノフスキも得意とした。 今回は彼の母国ポーランドの国営レコード・レーベル「ポルスキ・ナグラニア・ムザ(Polskie Nagrania Muza)」、通称「MUZA」に録音した名盤をいくつか取り上げてみたい。
先ずはポーランドを代表するオーケストラ「ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団」とのコンサート・ライヴ録音、「ベートーヴェン交響曲第6番ヘ長調”田園”」である。 ジャケット解説に録音年月日のデータ記載がないため収録年月は不明だが第1楽章提示部の反復も実行するなど演奏終了後の聴衆の拍手も収録され味わい深い「田園」が聴ける1枚である(写真1  MUZA・SX 1456 ステレオ録音 / 写真2   同、レコード・レーベル面)。 続いての3枚はチャイコフスキー後期三大交響曲、「第4番」・「第5番」・「第6番”悲愴”」である。 こちらはポーランド南部に位置する工業都市「カトヴィツェ」(Katowice)を本拠とする「カトヴィツェ国立ポーランド放送交響楽団」とセッションによるステレオ録音で骨太のチャイコフスキーを聴かせている。 こちらはジャケット解説に録音年月データも記載され「第4番」/ 1980年6月20日、「第5番」/ 1980年6月18日~20日、「第6番」/ 1979年4月となっている。 ただ「第5番」は「第2楽章」が裏面にまたがり収録されているところが少し気になった(写真3  「第4番」MUZA SX 2138 /  写真4  同、レーベル面 / 写真5 「第5番」MUZA SX 2139  / 写真6 同、レーベル面 / 写真7 「第6番」MUZA SX 1808  / 写真8  同、レーベル面)。 またMUZAレーベルのLPジャケットはシンプルながら魅力的なデザインが多かった。

写真1    ベートーヴェン「田園」セムコフ&ワルシャワ国立フィル・ライヴ録音(MUZA SX 1456)

写真2    ベートーヴェン「田園」セムコフ&ワルシャワ国立フィル・ライヴ録音・レコードレーベル面

写真3    チャイコフスキー 交響曲第4番(MUZA-SX 2138)

写真4    チャイコフスキー 交響曲第4番、レコードレーベル面

写真5    チャイコフスキー 交響曲第5番(MUZA SX2139)

写真6    チャイコフスキー 交響曲 第5番、レコードレーベル面

写真7    チャイコフスキー 交響曲 第6番「悲愴」(MUZA-SX1808)

写真8    チャイコフスキー 交響曲 第6番「悲愴」、レコードレーベル面

チャイコフスキー:交響曲第5番(ポーランド・ユベントス響/セムコフ):(https://ml.naxos.jp/album/CDAccordACD164