ヘルマン・シェルヘン指揮、チャイコフスキー交響曲第4番

ベルリン出身の名匠ヘルマン・シェルヘン(Hermann Scherchen/1891~1966)も個性あふれ出る指揮者のひとりだった。 古典音楽から現代音楽まで幅広いレパートリーを持ち1950年代には電子音楽スタジオまで開設している。 また米ウェストミンスター(Westminster)レーベルの立ち上げにも参加し自ら指揮して数多くの録音をのこしている。 今回の紹介盤はその中の1枚でウィーン国立歌劇場管弦楽団とのチャイコフスキー「交響曲第4番」である。 1951年6月、ウィーン・コンツェルトハウス – モーツァルト・ザールにおけるモノラル・セッションだが音質も大変素晴らしい。「第1楽章」コーダのアッチェランドなどまさにシェルヘンの個性がモロにうかがえ、しかも彼のチャイコフスキー交響曲スタジオ録音はこれが唯一のものとされ貴重である (写真1 LPジャケット、米Westminster-XWN 18522 /写真2 LPレーベル面)。 この音源、近年「米MCA」倉庫からWestminsterのオリジナル・マスター・テープが発見されCD復刻されている。

写真1    H. シェルヘン&ウィーン国立歌劇場管「チャイコフスキー交響曲第4番」LPジャケット(米Westminster-XWN 18522) 1951年録音

写真2    LPレーベル面