フォンタナ・レーベル廉価盤  “グロリア・シリーズ”から

1970年秋「日本フォノグラム」より1000円でお釣りがくる900円でリリース、多くのクラシック音楽ファンに大変重宝され人気も呼んだ懐かしの廉価盤「グロリア・シリーズ」を紹介したい。 このシリーズでは誉れも高かいフランツ・コンヴィチュニー&ライプチッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団によるベートーヴェン交響曲全集録音も分け売りされていた。
このシリーズ「いの一番」である レコード番号「FG-1」はチェコを代表する名指揮者カレル・アンチェル(Karel Ancerl /1908-1973・ 写真1 インターネット画像から)のウィーン交響楽団との1958年セッション録音、ドヴォルザーク交響曲第9番ホ短調<新世界から>/スメタナ交響詩<モルダウ>をカップリングしたものだった(写真2  アンチェル&ウィーン響ドヴォルザーク交響曲第9番<新世界から>ほかLPジャケット /写真3  同LPレーベル面) 。 いかにも「廉価盤」というジャケット・デザインだがオリジナル・ステレオ録音で1961年録音スプラフォン盤より少々速めのテンポで進める演奏だがスケール感もあり録音も良好である。
次にカール・ベーム(Karl Böhm /1894-1981)が1955年に「アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団」と録音したモーツアルト後期交響曲 第39番・第40番・第41番<ジュピター>を1枚に収めた長時間収録レコードである。 ベームとコンセルトヘボウ管弦樂団の組み合わせも珍しいと思うがオリジナルのモノラル録音を擬似ステレオ化している。 筆者個人的にはわざわざ擬似ステレオ化することはなかったと思うが録音は良好で詰め込み収録のわりにはそれほど音質に違和感は感じない。 ベームが還暦を過ぎたころの録音で彼らしい端正なモーツアルト像が聴ける。 また廉価盤ながら初回プレス盤は厚手の見開きジャケットを採用している(写真4 ベーム&コンセルトヘボウ管弦楽団/ モーツアルト交響曲第39番・第40番・第41番LPジャケット-FG-34 / 写真5 同・見開きジャケット裏面、アムステルダム・コンセルトヘボウ / 写真6  同LPレーベル面)。

写真1    カレル・アンチェル(インターネット画像から)

写真2 アンチェル&ウィーン響-「ドヴォルザーク交響曲第9番ほか」グロリア・」シリーズLPジャケット(FG-1)

写真3    写真2のLPレーベル面

写真4    ベーム&コンセルトヘボウ管弦楽団「モーツアルト交響曲第39・40・41番」グロリア・シリーズジャケット(FG-34)

写真5    写真4の同盤見開きジャケット裏面(アムステルダム・コンセルトヘボウ)

写真6    写真4のLPレーベル面