甦ったシューベルトの「未完成交響曲ホ長調」、1978年国内初出盤

先日「漫遊記662」ではシューベルト「未完成交響曲ロ短調」-「第3楽章」を補筆完成して録音した珍盤を取り上げたが今回はもう一つの甦った「未完成交響曲ホ長調」を紹介したい。 この録音は名指揮者フェリックス・ワインガルトナー(Felix Weingartner/1863~1942)が遺されたシューベルト自身の「第1楽章」序奏部-主題部のオーケストレショーンと「第4楽章」までの完成度の高いピアノ用スケッチを基にして1934年に編曲した「ワインガルトナー版」による演奏である。 ちなみにシューベルトが作曲に着手した年代が「第6番ハ長調」と名曲「未完成交響曲ロ短調」の間(1821年)にあたるためこのレコードでは「第7番」の番号が付されている。 甦った編曲版はワインガルトーナーの見事なオーケストレーションに魅了される。 管弦楽は当時旧東独のベルリン放送交響楽団(Rundfunk Sinfonieorchester Berlin)、指揮は首席指揮者ハインツ・レークナー(Heinz Rögner/1929~2001)写真1」である。 また彼は1980年代には「読売日響」の常任指揮者を長年に渡り務め日本のファンも多かった。 原盤は東独「VEB Deutsche Schallplatten」(1977年録音)だが国内盤は1978年に「徳間音楽工業」からリリースされた(写真2 国内盤LPジャケット、徳間ET-5031/写真3 LPレーベル面)。

写真1    ハインツ・レークナー(LPジャケット裏面掲載写真)

写真2    ハインツ・レークナー&ベルリン放送響「シューベルト交響曲(第7番)ホ長調」LPジャケット(徳間ET-5031 1978年リリース)

写真3    LPレーベル面