「福田屋」ことオーディオ評論家 福田雅光氏による実践的公開講座

日 時:2020年10月3日(土) 午後2時〜午後4時30分
場 所:龍ヶ崎市 市民活動センター 2階パソコン教室
講 師:福田 雅光 氏(オーディオ評論家)

コロナ禍の中、人数制限をした上で延期しておりました講演会を開催する運びとなりました。
今回はオーディオアクセサリー誌などでご活躍のオーディオ評論の第一人者、福田雅光氏をお招きし「手軽に音質向上が図れる極意」の一部を実践披露していただきました。様々な質問にも丁寧に答えていただき会場は大いに盛り上がりました。(fumi)

当日配布したプログラムはこちら

<オーディオ・チェック>
音源はCD-Rに焼いたものを使用。オーディオチェックにはピアノよりマリンバの様な立ち上がりが鋭いインパクトのあるはっきりした音源でやった方がよい。次にバッハの無伴奏チェロを掛けながら低音の持続音の音程の変化がきっちり再生できることが重要と力説された。次に女性ボーカル、中央にフォーカスしているかどうかのチェックによい。中央に小さくフォーカスされていることが重要でありボヤけてはいけない。

<グラフィックEQの効果は>
紹介するのは真空管を使ったラックスマン製5バンドのグラフィック・イコライザー、音楽の友社がONTOMO MOOKで出したもの。設計はラックスの土井氏。昔はグラフィック・イコライザーは邪道と言われたが今はむしろ部屋に合わせて積極的に調整すべき方向になっているのではないか。220Hzを下げたり上げたりしてその変化をデモ。880Hzを上げたり下げたりでその変化をデモ。ボーカルは220〜880Hz辺りの変化が大きいのを感じてもらえたと思う。少し補正してやるだけで音楽が生きてくる。グラフィック・イコライザーはトーンコントロールの様に一定率で上昇してしまう様なことはなく特定の周波数だけを上げたり下げたりできるのがいいところ。理想的なスピーカーなどないしケーブルの交換だけではこの様な大きな変化はないので今の音に不満な方はこの装置は結構役立つのではないか。

<現スピーカーシステムに並列加算して使う「ブースター・スピーカー」の効果>

一般的なスピーカーの再生は水平面しかない。大きなホールの録音を聞いていても生演奏では感じる上からの音はないじゃないかと思ってオリジナルの方法を思い付いた。録音現場の東京カテドラル聖マリア大聖堂に行ってみたら天井から降ってくる間接音成分をすごく感じた。ところが録音を聴いてみると水平方向の音しか感じなかった。そこで工夫してなんとか空間成分が出ないかと考えたわけです。試しにONTOMO MOOKのマークオーディオ製6cmフルレンジ・スピーカーユニットをブースター・スピーカーとしてメインスピーカーの上部に45度の角度で取り付けてみた。ホームセンターで買ってきた金具にスピーカの磁石でくっ付けて写真にある様な形で試した。裸のスピーカーだから低音が出ないのがちょうどいい。配線はメインスピーカーに並列接続した。結果、高さ方向の空間への展開が広がり、音楽の表情が豊になったのではないか。この方法は副作用がない。メインスピーカの音への影響はなく、すごく広がりを感じる再生になるのがお分かりいただけたかと思う。

<福田雅光氏が音が良いと推薦されたCD>