ところで、第11回目と12回目で短岡綿男氏に触れた時に書き漏らしていたことが一つあります。 読んでいて、彼のみが真面目で真に読者やオーディオ装置の一般ユーザーの味方であるような印象を持たれたと思いますが、短岡綿男氏も立派に?メーカーの息がかかっているのを書き漏らしておりました。 短岡綿男氏もまた「全フレックス」と言うブランドの提灯持ちを務めていたことを書いておかなければ公平さに欠けるので、ここで述べておきます。
という訳で当時のオーディオ評論家で独立独歩、真に公明正大な評論家などいなかったと言っても良いと思います。 それは現在にあっても変わることのない事実であります。 生活して行くためにはどこかのスポンサーにしがみつかなければならない事情を汲んでも尚、当時日本全国一億人のオーディオファンを出来の悪い文学作品で欺き続けた彼らを許してよいのかと考えてしまいます。
まあ、皆さん鬼籍にお入りの方々ばかりですから今更言っても詮方ない事ですし、死者を鞭打つようなことはいかにも後味が悪いのでこの辺にとどめておきます。
ただ、忘れないで欲しいのは、電子工学は文学では決して説明できないものだと言う事です。 それを忘れ言葉に酔っていては決して本質にたどり着けないし、何も解決したことにはならないのです。 オーディオ機器は音楽を聴く装置ですから情緒を完全に抜きにして語るのも辛いと思いますが、まずは情緒を抜きにして話を始めるようにして頂きたいものです。
しつこく言っておきます。 オーディオ装置は電子工学の理論により構成される、「ハード」なのです。「ソフト」の側から語るべきものではありません。