〜ある昔話の寓話〜
*これはフィクションです。特定の人物、あるいは団体を指すものではありません。

最初の方で作家先生と教師先生の確執に触れましたが、教師先生が作家先生の行状を批判してレコードと原音再生という一文で端的にオーディオは電子工学なのだと言っています。 「某著述業者などピアノが生さながらに再生出来るなど嘘だと言っている。 原音再生は同一の場所における録音、再生という極めて大切な条件を除外出来ない。(一部略)」

ここからが、文学でオーディオを語る(騙る)ことの非論理的な愚かさを批判して言っているのですが、「そういう連中のほうが遥かにバカなのだ。」と手厳しい。 「彼らは学生時代に数学が苦手だったに違いない。 数学をまともにやっていれば、問題を解く上に条件が如何に大切かを知っているはず、」

数学の文字が出てきましたが、数学こそ電子工学の要です。 抵抗一本を何Ωにするかは計算式で計算して決めるのです。 オーディオ装置は計算により設計されるのです。 美しい文学的表現で設計されるわけではないのです。 「数学が苦手だったに違いない。」と端的に言ってのけられ読み手は耳が痛くなりますが、教師先生の弁は40年も経た昔の文章なのにいまだに耳を痛くさせてくれます。 オーディオは電子工学だとそのものずばりの発言ではありませんが、数学だと言っているのです。 理論を前提としているのです。 けして文学だとは言っていないのです。 今のオーディオ評論家の中にも耳が痛くなる人はたくさんいるはずです。 えっ! 耳など痛くなりませんか! あなたの良心はどこに行ってしまったのでしょうね?