追悼 パウル・バドゥラ・スコダ

9月25日にウィーンから悲しい知らせが届きました。 パウル・バドゥラ・スコダ氏が死去なさいました。 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

もう日本で聴くことは無理だろうと思っていたのですが、この10月にリサイタルを行う告知があった時には驚きと喜びでいっぱいでした。
残念ながら当然、リサイタルは永遠に中止になりました。 がっかりすると言うより、大げさですが「諦観の念」を強く感じました。 私達はこうして、素晴らしい演奏家達を永遠に失って行くのだ。 それはこれからも繰り返されて行くのだと考えると寂しく悲しい気持ちでいっぱいです。
偶然ですが、今、スコダ氏への一文をしたためている最中でしたので、その気持ちはなおさらです。 6までで中断する事になってしまいました。 気を取り直して7を書きたいと思います。
スコダ氏の演奏は聞くたびになぜか心が豊かになり暖かくなるものでした。 もちろん優れた録音がたくさん残っています。 でも、その演奏姿に直接触れることが出来なくなってしまった喪失感はいかんともしがたいものです。

長きにわたって素晴らしい演奏の数々をありがとうございました。 天国では盟友デムス氏とグルダ氏とピアノ音楽の在り方について又議論をなさっておいででしょうね。

心よりの敬愛を込めて。

残念な結果になってしまった日本公演のチケットと中止のお知らせの主催者からの手紙です。 幻の演奏会になってしまいました。