〜ある昔話の寓話〜
*これはフィクションです。特定の人物、あるいは団体を指すものではありません。

高額商品を中心にしたオーディオ機器は空飛ぶ円盤と同じになっているのが現状です。 極普通の人が、普通の感覚で買いたいと思う様な値段でもなければ、商品としての魅力もない代物です。 さらにいまだに昔と同じで相変わらず文学が幅を利かせているのです。

昔、どこかのステレオ専門誌で10万円以内の予算でコンポーネンツステレオを組むと言う企画があり各評論家諸氏の意見を載せた記事が出たことがあります。 まあ、○○円以内で組むと言う記事は当時たくさん出ておりました。 どちらの意見かすっかり忘れてしまいましたが、確か岩山夏樹氏か菅沼岸彦氏のどちらかが、「10万円の低額予算ではコンポーネントステレオを組んでもコンポーネンツステレオのクオリティーを確保できないので意味がない。辞退する」と参加しませんでした。

他の評論家は29,000円のアンプに15,000円のスピカー2本、プレーヤーは24,800円、残りでチューナーをなどと低価格のセットを考えて掲載していました。

低価格商品のクオリティーを問題にすれば、確かにある水準に達しているかどうかが気になります。 だけれどもこれは普段の生活に使うけれどやはり良く走ってくれる軽自動車はどれが良いかと言う質問に対して、走りの性能が高級スポーツカーの様に素晴らしくは無いので評価しないと言っているようなものです。

もう、1970年代に既に現在の芽が見られるのに改めて気が付き嫌な気分になりました。 この時、50年も前の段階で、良い音楽を聞くのには高級品でなくてはならないと言っているのです。