〜 ある昔話の寓話 〜
*これはフィクションです。特定の人物、あるいは団体を指すものではありません。

それが「円盤演奏家」と言うキャッチフレーズです。 DJがダイレクトドライブターンテーブルに乗せたアナログレコードを手で止めたり逆転させて既成のアナログレコードから全く違った音楽や音響を作り出す事かと思ったらそうではないのです。 アナログレコードやCD、SACDを再生する人を演奏家と称するのだそうです。 数多くの本当の楽器の演奏家の録音を手掛けて来たエンジニアの発想とはとても思えません。 3歳の時にはピアノを始めていた様に人生の大半を楽器の演奏に賭けてきた音楽家達と生で接してきたら、楽器を演奏する行為が如何に限界を模索した苦しみから生み出されてくるかを知らない訳がありません。 いくら高級車が何台も買える額をオーディオに投資して「音」の再生に努力をしてきたにしろ、たかが、アナログレコードやCDを再生する事を「演奏」と称するなど本物の演奏家に失礼であり、無礼でありましょう。それ以前に無知極まりありません。

さらに言えば沼野岸彦氏の「円盤演奏家」とは雑誌のトップを飾る一般人には想像も出来ない装置を並べる様な特別なマニアの事だけを言っている様に受け取れます。

まあ、そういう業界にお金を落としてくれる人達を持ち上げておかなければ商売にはつながりませんからマニアの方々を「円盤演奏家」とおだて、持ち上げるのは当然の事ではあります。 見事にマニア心をくすぐるので、よっ! 商売上手! と感心せずにはいられません。