〜 ある昔話の寓話 〜
*これはフィクションです。特定の人物、あるいは団体を指すものではありません。

音楽は楽理やアナリーゼだけでは語れないもので、文学と密接に結びあっていますからモーツァルトの交響曲がどのようなものであるかを文学的に語ることは遥か昔からある事でした。 彼はその音楽を語るのと同じようにオーディオを語っただけかもしれませんが、文学をオーディオ評論の場に持ち出したことによりかなりの功績をオーディオの世界に、業界に、営利団体にもたらしたのです。いや、めでたい!
もちろん作家先生ご自身は大好き音楽といつの間にか手段が目的化したオーディオの事を書き散らかしていても日々の糧を心配することなく「イトーホーン」なるコンクリートホーンなどを導入して羨ましがられていましたから自分がどんな立ち位置にいたかなんて一向に気が付かなかったことでしょう。
そのコンクリ―トホーンなる尋常ならざるスピーカーは元高等学校教師だったこちらは電子工学に精通していたオーディオ評論家が自宅を建築する際に構築したシステムでした。
一時は作家先生もこの教師先生に心酔していましたので、自分もとオールホーンシステムの導入に踏み切ったのは良かったのですが、そんな大掛かりなスピーカーがそんなに簡単に成功する訳がありません。 悪戦苦闘の末、最初は尊敬していた教師先生と大喧嘩の果てに袂を分かっていますがそれはここでは主題ではありませんので又の機会にします。