〜 ある昔話の寓話 〜
*これはフィクションです。特定の人物、あるいは団体を指すものではありません。

それなのに文学の力を借りまくり60年代、70年代、80年代前半を美味しく生きた評論家の方々がいらっしゃる。 そしてあまりにも美味い汁を吸った先輩達の後を継いで文学の力で自分たちも美味しい汁を吸おうと日々精進? する方々が今もいらっしゃる。
難しい事を言わなくても文学的表現に長けていれば、貴方も今日から一流のオーディオ評論家です。 電子工学の勉強などしなくても良いのです。
一体、KCMの大型モニタースピーカーは評論家「岩山夏樹」殿のおかげでどれほど売れたのでしょうか? 当時の中級乗用車が2台は買えそうなとんでもない価格のスピーカーが、しかも、一般家庭では使いこなせないモニター用のスピーカーが昔はどこの街にでもある様な小さな町の電気店の店先に並んでいました! 全ては文学のおかげです。
もちろん文学の才能は誰にでもあるわけではありません。 それはそれで立派な芸です。 上手にその才能を利用した評論家各氏は肩で風を切って物申してもその才能故に許されたのです。 己の才能を生かして糧を得るのは何も演奏家などの芸術家だけではないのです。
「岩山夏樹」氏はその文学的才能と商売人としての才能が非常に見事に融合した人でした。とあるオーディオショップで自身が持っているKCM1234型モニタースピーカーの後継機種KCM2345型の試聴会が開催されゲスト講演者として出演しました。 その時彼はまだ音出しもしてもいない2345型の説明をとうとうとしてから、「私もこのスピーカーが大変に欲しいが値段が値段だけに無理ですね」と1234型を持っている自分にも買えないが欲しいと2345型を持ち上げるのです。