〜 ある昔話の寓話 〜
*これはフィクションです。特定の人物、あるいは団体を指すものではありません。

いや、見事! あんたKCMの日本代理店に少し無理を言えば破格の値段で入手できるでしょうが! 「手持ちの1234型でなく後継機種の2345型は自分にとっても高価で手が出ないけれど是非欲しい」と言えば一般のオーディオファンはますます欲しくなるでしょう。 試聴を始める前にそんな事を言われれば、聴衆はもう最初から脳内バイアスか、脳内NFBが掛かりまくり良くしか聞こえないではありませんか。 誠に商売上手! いや文学と商魂の見事な見本を見せられたと勉強になります。 その代わりそこには電子工学の真実は一片も語られないのです。
批判しているわけではありません。 だだ、そうであったと申し上げただけです。 今でも岩山夏樹氏を尊敬しています。 なぜなら先に登場した小説家先生の様に明らかに文学でしかオーディオを語れなかった才能とは違い、文学でありながら専門的な電子工学を思わせる語り口は他ではちょっと味わえないものだからです。 代えがたい惜しい才能でしたが、岩山夏樹氏は若くしてお亡くなりになりました。 誠に残念な事ですが、後継者には事欠かないので、よしとするしかありません。